2016.02.17
食品工場の新築工事が始まります。
H27年6月から始まっていた株式会社大市珍味岡山(津山)第2工場新築工事が設計を終え、施工者も決まり、3月より着工の運びとなりました。
これから6ヶ月、8月末竣工目指して進めていく手筈です。
津山市(正確には苫田郡鏡野町)は直接仕事をしたことはないのですが、30数年前、中国縦貫自動車道院庄インターからR179号線を経由して、鳥取県倉吉市の近く東郷温泉にある観光ホテルの改造工事に何期か携わり、よく通ったものです。
当時はあちこちに「苫田ダム建設反対」の看板が建ってましたが、今は完成し、運用されていて、ダム湖は奥津湖と呼ばれていました。
また記憶によると、岡山県と鳥取県では道路の整備状況が違い、岡山県側の道路はよく整備されていて、「これも政治力の差かな?」と思ったものです。
閑話休題、食品工場の設計はH19年の藤本食品新築工事以来ですが、岡山第2工場は少し変わった工場で、冷凍のお弁当、おせち、オードブルなどの製造を主に行います。(ご飯はありません。)
日産10,000食の能力を目標に設備を整え、9月より操業開始の予定です。
冷凍のお弁当などは、最近、新聞やTVででもコマーシャルされていますから、御存知の方も多いのではないでしょうか。
この仕事をするようになり、私も何回か買ってみたのですが、とにかく便利、御飯と一緒に電子レンジでチンすれば、ものの5分もすれば出来上がり、私としては少し物足りないですが、お年寄りや女性、お子さん達には充分でしょう。
またカタログを見ても、介護・医療食などもあってなかなかバラエティーに富んだメニューになってました。
私にとっての大きなメリットは、買い置きができるということ、1ヶ月や2ヶ月程度なら保存が利き、いつでも食べられるということ、これって自分の仕事の関係でいうと老人ホームなどの仕事も多いのですが、設計する時、たいてい厨房を設けます。介護事業者の要望で、介護居室2室程度つぶして設置します。
食事に対して介護事業者の思い入れが強く「あたたかく美味しい食事を提供したい」という思いからです。
ただ、私の携わる施設は30室前後と比較的小規模で、自前で食事を1日3食1年365日毎日提供するのは中々大変なのではないでしょうか。
先日もある介護施設の会長と話をしていて、「今、冷凍食品工場の設計をしています。冷凍弁当は便利ですよ。」というと、「施設の食事提供も大変や。きちんと注文を受けてから作るけど、お年寄りのことやからドタキャンされる場合もあり、かといって食べてない食事代を請求するのも心許ないし・・・」「しかし、冷凍弁当なら保存も利くし後日安心して提供できるのでは?」「冷凍弁当を使うなら、厨房も広いものは不要で、他の施設を充実させたり、介護居室を増したりできますよ。」「それは面白いな」ということで、早速インターネットで調べてらっしゃいました。
食品工場(冷凍食品生産工場)は衛生面で非常に厳しく、マル総(総合衛生管理製造過程)やHACCP(ハサップ)の考え方を導入して、ハード面でも工場の足を引っ張らないように細心の注意を払って設計に当たってきました。
聞くところによると、大腸菌群は0(ゼロ).(製品から1個でも検出されればアウト。)細菌類は100,000以下(通常1,000以下で給食センターなどは10×2乗台)だそうです。
こういった厳しい環境下で製造されるお弁当なら安心して介護施設でも提供できるでしょうね。
工事は3月7日起工式で6ヶ月の間、私も岡山へ通うことになります。これからもしっかり気を引き締め監理を行ってまいります。
大市珍味様に「良い工場ができた」と喜んでいただけるよう、これからもがんばります。