岐阜県岐阜市にある「みんなの森・ぎふメディアコスモス」は、建築家 伊東豊雄氏が手掛けた市民活動交流センターやカフェ、図書館などが一体となっている施設です。
波打ったような屋根が特徴の外観は、周囲にある金華山を始めとした山並みと似た形にすることで、自然と調和するように工夫されています。
壁面は、木材・銅板・ガラスを組み合わせ、木材の間隔は銅板部分を狭く、ガラス部分は広くすることでガラスの表面に岐阜の青空や緑が投射され、まちと一体化した景観をつくり出しています。
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1階
スタジオやワークスペース、展示ギャラリー、ホール、会議室、書庫
市民活動支援ブース、カフェ、コンビニ等
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2階
市立中央図書館
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この建物は、自然エネルギーを最大限に活用し、消費エネルギーを1/2に抑える建築の実現を目標にされているそうです。
大空間全体を設備にて調整すると無駄なエネルギーを消費してしまうが、人が集まるスペースの環境を調節することで、その他の範囲は、外部と内部の中間領域として機能させ効率的な内部環境を作り出せるという考えを元に木造格子屋根で造らた大空間を「大きな家」、天井にぶら下がる大きな漏斗形状の傘(グローブ)を人が集まるスペースとし「小さな家」と見立てた構成となっています。
その他に建物直下の長良川を利用した熱源計画、床面を輻射にとって冷暖房する空調計画等が採用されています。
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「木造格子屋根」は、仕上材だけではなく構造材としての役目を担っています。
幅120mm、厚さ20mmの岐阜県産材ヒノキ板を3方向に並べて積み重ねたもので職人さんたちの手作業により、接着剤とビスを用いて強固に取り付けられているのだとか。
ヒノキが豊富に使用されているため “フィトンチッド”という木の香りで人の心をリラックスさせてくれる空間になっています。
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「グローブ」は、日中は上部トップライトからの自然光をおだやかに室内に拡散、夜にはグローブ内に設けられた照明のシェードにもなっています。
また、上部に設けられた水平窓を開けることで、この形状に沿って風の流れを生み出し機械式の空調ではなく、2階の大空間を自然換気することができるのだとか。
デザインとしてだけでなく省エネルギーで快適な空間づくりに一役かっています。
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有機的な木組みと、グローブの組み合わせがとても魅力的な空間となっているメディアコスモス。
グローブの下は、凄く居心地の良い空間になっていました。